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流通品市場テスト

概要

現在、市場に流通している福祉用具(介護機器)については、JISの規格が存在するにも関わらず、認証制度が確立されていないが故に、工学的安全性を示す指針である工業規格をクリアしていることを表示できない福祉用具があります。

また、経済産業省が行う試買試験(一般流通品を一般販路を使用して購入し、JIS規格の認証を受けた商品をJIS規格で定められた試験方法で、抜き打ち試験し、市場へ出回る工業製品の安全性を確認する試験)では、JIS認証を受けているにも関わらず、認証に至る手法等の様々な問題点を起因として、試験途中で破損するといった実態が、福祉用具には存在します。

JASPECは、安全な福祉用具が安心して使用できる社会への寄与という理念に従い、現状の流通商品を独自で試買試験し、これらの実態を公表することによって、消費者が供給される福祉用具が安全である事を明確にすると同時に、安全であると言えない可能性が高い商品が存在する事を、市場に情報提供します。

実施規程

I. 目的

この「流通品市場テスト」は、一般社団法人日本福祉用具評価センター(以下、JASPECと称する)が引用する規格に記載された試験方法に基づき福祉用具の工学的試験を行い、若しくは実際の使用時における観点からの臨床的評価を行い、これを公表することにより、安全な福祉用具が安心して使用できる社会に寄与することを目的とする。

II. 適用範囲

市場で流通している、一般に購入可能な福祉用具を対象とし、オーダーメイド品は対象外とする。
また、試験方法が引用する規格に明記されていない福祉用具も対象外とする。
対象の是非に、引用規格の認証が可能か否かは含まない。

III. 引用規格

JISを基本とし、JISに引用する試験方法が含まれない対象については、SG、ISO等の他の公的規格から引用する。

IV. 試買試験品選定

市場に大量に出荷される福祉用具を対象とするため、介護保険福祉用具貸与対象品目の中から選定を行うが、試買する試験品の機種として公的規格をクリアしているか否かは問わない。
比較検討を行うため、同等の異機種を2機購入し、同じ試験を同時進行で行う事を基本とする。
同等の異機種の存在しない製品は、引用する規格も存在しない事が想定できるため、流通品市場テストの対象からは、基本的に省く。
また、対象品であったとしても、JASPECに存在しない試験設備を要する試験が求められる場合は、その試験方法のみを除く場合と、その対象品自体を試買試験品として選定しない場合がある。

V. 試買試験品の入手

製造者からの持込みや直接仕入れに関しては、一般市場流通品であるという定義の真意を損なう可能性を鑑み、一般市場入手経路となる、ホームセンター、デパート、福祉用具卸会社、福祉用具小売業者(福祉用具貸与事業所)等の販路による購入を行う。

VI. 試験方法

各対象品に該当する公的規格の試験方法に基づき、明確な試験手順に従って、試験を行う。
不確かさに関しては、試験所として検証を行った上で作成した試験手順に基づいており、大量生産される中の%を想定するものではない為、同一機種の複数試験は行わない。

VII. 試験結果の公表

当該具体的事情のもとで、権利の行使や義務の履行は、互いに相手の信頼や期待を裏切らないように誠実に行わなければならないとする法理である「信義則」に基づいて、試験結果自体に手を加えたり判断を誘導するような文言を加える事なく、公表を行う。

テストの実施フロー

  1. ①市場で一般に流通している商品を、同等品を選定した上で2機種購入します。

    購入先例: ホームセンター、デパート、福祉用具卸会社、福祉用具小売業者(福祉用具貸与事業所)等

  2. ②購入した2機種に対して、JIS・SG等の規格試験に基づいた試験を行います。

    ※規格認証対象以外であっても、規格があり、その規格内に試験方法が明記されていれば、試験を行います。

  3. ③同じ試験を同じタイミングで行い、結果を記録し、公表仕様に簡略化したデータとして構成し直します。

    ※試験所専用の記録書式を必ずしも使用しないという意味であり、結果の改ざんは一切致しません。

  4. ④破損が起きた場合、それ以降の試験が可能でなければ、その時点で、その機種の他の試験項目は行いません。