車椅子の「ヒヤリハット」其の2

車いす安全整備士養成講座の時にも、講義内容として取り上げている内容ですが、駐車ブレーキの効き調整が甘かったり、自然にor劣化のスローパンクかはさておき、タイヤの空気が抜けたりして、立ち上がりや座り込み時にブレーキが効かず車椅子が後ろに逃げて、お尻から落下して腰椎圧迫骨折という話を以前にしましたが、覚えていますか?

 

今回は、そんな事故の第二段です。

「駐車ブレーキが固いし、延長ブレーキでお金かかるのも、ちょっと・・・。そうだ、レクリエーションで、サランラップの芯に絵を描いてもらって、自分専用の延長ブレーキにして使ってもらおう。」

こんな感じです。

駐車用ブレーキに、ラップの芯(赤い筒)を被せるだけで、長さが長くなった分、てこの原理で弱い力でも楽に駐車ブレーキの操作ができるっていう理屈。

これで、駐車ブレーキを弱く設定してしまったが故に、車椅子が逃げることによる、腰骨圧迫骨折を心配しなくてもよくなります。

 

ただし、この行為が原因で、違う事故が発生していることを知っていますか。

「違う事故」=「顔面からの前方転倒」です。

 

ラップの芯である筒を被せているだけなので、何かの拍子に外れて転がることは、普通に起こり得ます。

問題は、その地面や床に転がった、自分が絵を描いた力作を、車椅子に乗っている本人が拾おうとして、フットプレートに足を乗せたまま、前かがみになって拾う姿勢になった途端に・・・!!!

 

車椅子で起きる事故のもう一つは、「フットプレートに足を乗せたままでの立ち座りによる、前方転倒」です。

前輪キャスタを支点にして、フットプレートに体重がかかる(力点)ことで、座面が跳ね上がる(作用点)動きになります。

 

先程の例ですが、本人は立ち上がる気がなく、ラップの芯を拾おうとしただけなのですが、前かがみになったことで、座面にかかる上半身の体重が前輪キャスタ側に移動するので、車椅子の座面が跳ね上がるという、同じ現象が起こります。

 

地面に頭を近づけている状態で、ふいに車椅子座面が跳ね上がると、本人は顔面から地面に突っ込むことになります。

 

結果は、スプラッタムービーになりかねない大惨事!!!

 

延長ブレーキ代わり&レクリエーションの一環というのは良い考えですが、この方法を行う場合は、ラップの芯に紐を繋げて、車椅子本体とつないでおいて下さい。

そうすれば、もし外れても紐をたぐり寄せれば、顔面から地面にダイブする姿勢にならなくて済みます。

 

車椅子の構造の理解と、使用状態の姿勢についての知識があれば、このような事故は起こらないのですが、全国でこの事故が実際にあり、しかも無くならないという現実。

車いす安全整備士養成講座の座学や実技の講義で説明すると、「初めて知りました」という施設職員や福祉用具専門相談員が大勢います。

 

車いす安全整備士養成講座は、整備技術だけではなく、こんな話もしています。

 

興味を持たれたアナタ、今回の話でドキッとしたそこのアナタ。

そう、アナタです。

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といっても、即キャンセル待ち状態になるので、申し込めば必ず希望する日程の開催講を受講できるとは限りませんがね・・・

 

・・・という、最終的には、宣伝でした(笑)

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