空気圧

 

 

SI

台風5号はその勢力を維持したまま、ゆっくりと列島をほぼ縦断していきました。

被害に遭われた皆様に心からお見舞い申し上げます。

この台風、和歌山県に再上陸したときの気圧は975ヘクトパスカルでした。

台風シーズンになると、このヘクトパスカルという言葉よく聞きます。確か、子どもの

頃の台風は「ミリバール」という単位でその勢力を表していたような記憶が・・・。

どちらも圧力の単位です。

 

難しいことはさておき、1ミリバール=1ヘクトパスカルなので、呼称単位が変わっただけで、勢力の規模は今も昔も同じ数値ということになります。

 

では、なぜ呼称単位が変わったのか?

それは、「パスカル」がSI(英文:International System of Units)という国際的に定めた単位であるためです。例えば、長さの単位は昔の日本では「寸」「尺」で表していましたが、それは日本だけで通用するルールでした。日本ではある長さを「尺(30.3㎝)」でいい、アメリカでは「ヤード(91.44㎝)」で表すとなると、貿易などでやっかいですから、国際的には「メートル」に単位を統一しようということになったのです。さらに、「接頭語」も国際的に決められました。よく知れ渡っている「キロ」は1000倍を意味する接頭語です。パソコンの情報量を表す「バイト」はSIではありませんが、その接頭語はSIのルールに従っています。「メガバイト」は1バイトの100万倍、「ギガバイト」は10億倍という意味です。

 

「パスカル」という、圧力の単位に「キロ」を付けたら1パスカルの1000倍という意味になるように「ヘクト」を付けると100倍という意味になります。つまり、975ヘクトパスカルは、97500パスカルということになります。「ヘクト」が100倍の接頭語であることをわかる例は「ヘクタール」です。これは、「ヘクト+アール」で1アールの100倍の面積となります。

 

ところで、「アール」はSIではありません。SIでは㎡で表記しますが、アメリカで昔から使用していた単位だけは、なぜか今も使用を認められています。「ヤード」「インチ」(長さ:SI=メートル)も「ポンド」(重さ:SI=キログラム)も使用されています。

トランプさん、これこそ“アメリカファースト”ですよ!それだけでは不満ですか?

 

パスカル

ヘクトパスカルの意味が分かったところで、その勢力を考えてみます。

天気予報で「高気圧」「低気圧」とよく耳にしますが、基準となる気圧はなく、周りの気圧に比べて高いか低いかということだそうです。

地球の標準大気圧は、これも国際標準値で101325パスカルと定められています。つまり1013.25ヘクトパスカルです。この気圧をわかりやすく言うと、面積が1㎡の板の上に約10132㎏=約10トンの錘を乗せたときの圧力になります。日本の面積は約38万平方キロメートルですので、日本全体に約3.75kgの錘が乗っかっているということになります。

これに地球の重力もありますので、人は直立姿勢を保持するだけでかなりの体力を使っていることがわかりますね。

 

風船を膨らませ、針で刺すと破裂しますよね。これは、気圧というものは高い方から低い方へ流れようとする性質があるからです。ある高校で風船内の気圧を測定したところ1.02気圧だったそうです。つまり、1033.52ヘクトパスカルです。標準大気圧よりも高いので、穴が開くと一気に風船内の圧の高い空気が、外の圧の低い空気を押し広げようとし、その時の波動が、大きな破裂音になるのです。(水しか入っていない風船は、割れてもパンッと音はしません。)

 

今回の台風の和歌山上陸時の気圧は、975ヘクトパスカルでした。この時に観測された最大瞬間風速は、室戸岬で40m/秒でした。

周りの高い気圧からその台風(とんでもない低気圧)に空気が流れますので、それが強い風になったということです。

 

車椅子のタイヤ空気圧

では、車椅子のタイヤの空気圧はどれくらいでしょうか。機種により違いはありますが、標準形と呼ばれる車椅子の適正空気圧は300~450キロパスカルが多いです。

つまり、300000パスカル~450000パスカル・3000ヘクトパスカル~4500ヘクトパスカルです。

結構な高気圧です。ですから、タイヤやタイヤ内部にあるチューブに穴があいたり、劣化して傷があったりしたら、そこからすぐに空気は外に流れてしまいます。この状態がパンクと呼ばれる現象です。

また、穴や傷が無くても気圧には“隙あらば”低い方へ流れようとする性質がありますので、空気圧が低下することがあります。

ですから、空気圧は日常的に管理する必要があります。特に車椅子には、「駐車用ブレーキ」というものが付いています。このブレーキの仕組みは、パンパンになったタイヤにシューと呼ばれる金属板を食い込ませて動かなくしています。タイヤがペコペコになったら、板はタイヤに食い込まず回転を止めることができません。こうなると、ブレーキを掛けたつもりで車椅子から立ち上がろうとしたら、ブレーキが効いていないため車椅子が後ろに動き、転落して怪我をする怖れもあります。

こうした怪我を防ぐためにも、車椅子を使用する前には、その車椅子のタイヤ空気圧をチェックしましょう。

車椅子のタイヤには、そのタイヤに適した空気圧が表示されていますので、目盛りのある空気入れで表示通りの空気を入れるようにしてください。

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