「対処」と「是正」

私:明日、交通費の仮払い(実際に移動する前に見込額を預かり金として受け取ること)お願いします。

経理:今日、「明日必要」って言われても無理な時があります。

 

何気ない会話なのでしょうが、私は一瞬イラッとしました。

仕事上の必要経費だし、「今すぐ出せ」と言ったわけではないのだから、経理の手持ちがないのなら、明日の朝にでも用意してくれればいいじゃないか。

 

よくよく考えてみれば、社内ルールで、前もって想定できている必要経費(仮払い)が欲しいなら、その前の週に仮払い申請書を作成して、経理に提出しておくことという決まりごとがあるのですから、経理が言ったセリフは正しいのです。

 

例えば、「『前週に申請書類提出ルール』があるので、今回はたまたま手持ちがあるので出せますが、以降はルール運用して下さい。」と言われれば、「そうだった」と素直に反省したのかもしれません。

ちなみにこのルールを作ったのは私だったような・・・

 

経理の立場からすれば、「もし手持ちが無かったら、自分が予定している明日の仕事に、銀行で引き出すという時間を追加しなければならないのだから、業務を円滑にするために作ったルールは、守れよ」という事になるはずです。

私が経理なら、やっぱりイラッとしたでしょう。

 

何が問題かと考えてみました。

 

今の例なら、「前の週に提出しておくことというルールを失念していたこと」が表面的な問題点であり、「仮払い申請書作成時に、その申請書フォーマットに、『前週までに提出すること』という注記がないこと」が直接的な問題点で、「今週の予定の確定が今日だったことと、前週は別のこと(業務)に追われていて余裕が無かったこと」が根本的な問題点だったのではないかと思います。

 

表面的な内容は、「今週の必要額を今週に入ってから申請したこと」の理由ではありますが、改善して二度と起こさない様にするための手段は何かとなると、「忘れないこと」となってしまいますが、人間である以上「忘れないこと」は有効解決策にはなりません。

直接的な内容は、「経理に出さないということには繋げられても、本当にどうしても必要な場合には、対応することが出来ないという結論にしかならない」ということで、これも有効解決策には繋がりません。

 

根本的な内容は、「緊急時の対応策を作っておくことと、余裕の有無を問わずスケジュール管理を行うこと」によって、有効解決手段に結びつけそうです。

 

何か問題が起こった時は、「対処」と「是正」という行為があり、意味が異なります。

「対処」は、起きた事象に対して、その時点での対応を行うという、取り急ぎの処置であって、根本解決や問題の再発防止等とはなっていないことという内容について使う言葉だと認識してもらえば良いようです。

例えば、納品した商品が、開封した時点で破損していた場合、取り急ぎ、代替え品を早急に手配して、交換を行うという事がこれに相当します。

 

「是正」は、起きた事象に対して、再発しないための解決策を講じることを指します。

例えば、納品した商品が、開封した時点で破損していた場合、破損している商品が配送されないように、配送時の商品に対する衝撃や、出荷前点検方法、商品製造時の構造の強度設計など、「破損」に関連する原因究明を行った上で、再発しない為の手段を講じることについて使う言葉と認識してもらえば良いようです。

但し、取り急ぎ、代替え品を早急に手配して、交換を行うという「対処」も同時進行で行っておく必要はあるので、「対処」は不要といっているわけではありません。

 

話は戻って、仮払金についてです。

①私の立場

「対処」:仮払金をあきらめて、とりあえず自腹で支払っておいて、後で請求

※手持ちが無かったら、出来ないという問題点が残る

「是正」:余裕の有無を問わずスケジュール管理を行い、週末に翌週の動きを確認

※週末が出張等の理由で、翌週確認が難しいあるいは、仮払い申請書作成が出来ない場合には、翌週に仮払いしてもらえない可能性がある

 

②経理の場合

「対処」:仮払いできる額が金庫になければ、銀行に引き出しに行くorルール上不可だが、金庫に仮払いできる額があればしておく

※必ずしも銀行に行ける状況or金庫内の額が必要額存在するとは限らない

「是正」:仮払いのことを踏まえた金庫内の金額設定を再設定する。

※警備上、所持金は少なくあるべきという観点や、再設定した額を上回る額を求められた場合は、結局同じことになる

 

是正に関しては、詳細部分を詰めていく必要があるので、前述のように単純では済まないので、実際に行うのであれば、金庫保有額の根拠や、経理担当者が病欠等で不在の場合など、様々なシチュエーションをどこまで想定していくのかといった検討をしなければいけません。

金額を出すことだけでなく、「未申請の職員自身に問題があるため、前週の申請がなければ、一切受け付けない」という方法もあります。

 

「対処」と「是正」には、「対処」に無く「是正」にある、「効果測定」がさらに必要となります。

行った是正処置の手法が、本当にそれで良かったのか、問題の再発はなくなったのかを確認し、問題が残っているならば、是正手段を見直すという事です。

PDCA(Plan、Do、Check、Action)サイクルの考え方ですね。

 

常に、今やっている方法が正しいのか、新たな方法が見出されていないのか、市場の情勢に合致しているのか、自分達の体制(人材が増えた、設備を増強したなど)が変わったことで実施できる幅が広がっていないか、etc…

一点集中しないで、広い視野と情報取得アンテナを広げておくことが大事だと、日々肝に命じているつもりですが、対応範囲が広すぎたり、一点集中せざるを得ない深い業務に就いている場合は、なかなか難しいこともあり、周囲に助けられながら何とかクリアできていることって多いなぁと感じる今日この頃。

 

自分の能力の衰えにもおびえている毎日でした(笑)

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