車いす安全整備士資格取得後にある質問①

JASPECは、車いす安全整備士養成講座の運営団体なので、合格された方はもちろんですが、不合格になった方からも、色々な質問がメールや電話で入ってきます。

今まで一番多かったのは、部品の購入ルートでした。

「合格したし、さぁ仕事で活かそう」と思っても、仕入れるルートが確保できないので、どうしようか迷って、JASPECに連絡してくるという流れでしたが、今は実技講師にもなっている「テラオ株式会社」さんに、各車椅子メーカーとの口座を開いてもらい、そこからの供給ルートを確保してもらったので、「一般購入価格での対応しかできない」というケースは無くなりました。

 

今回のお話は、不具合のある車椅子に出会った時に、整備や部品交換をして良いのかというお話です。

ちなみに、施設や病院などの備品としての車椅子を職員が整備することは、所有者がその施設であり、その施設の職員が行うことについて、法律的な問題はありません。

今回の話は、福祉用具流通業界に古くからいる人にとっては、当たり前の話ですが、介護保険のレンタル制度が始まってから、福祉用具に携わっている場合は知らない人が多いのではないかという別の内容です。

例えば、自転車屋さんにタイヤ自身が摩耗や経年劣化している車椅子に乗った人が、「タイヤの空気が抜けているので、空気を入れてほしい」と来た時、タイヤを交換すべきだと気付いた車いす安全整備士としては、どういう行動を取るのが正しいのかというお話です。

 

そもそも、車椅子の入手経路は3つあります。

①一般購入(店舗、WEB)

②介護保険制度によるレンタル

③身体障害者日常生活用具給付(補装具給付含む)

 

上記3つの中で、一番やっかいなのが①のWEB購入です。

不具合があった際に対応してもらえなかったり、連絡がそもそもとれなかったり・・・

このケースは、近所の自転車屋さんに相談されることが多いのかもしれません。

この場合は、車椅子利用者が頼るところがないので、是非対応してあげてください。

但し、径は同じでも、自転車のタイヤはカーボン入りの普通のタイヤですので、車椅子用のタイヤを付け替えてあげてくださいね。

 

②の介護保険のレンタルの場合は、機器の所有権は福祉用具貸与事業所(あるいはレンタル卸事業者)にあるので、部品交換等については、所有権を持つ者が責任を持つことになります。

そのため、「良かれ」と思って修理をした場合、他人の所有物を勝手に加工したことになるので、問題になる可能性があります。

手を出さずに、そのレンタルをしている福祉用具貸与事業所に連絡するように促してください。連絡をすれば、おそらくですが、即行で代替車椅子を持ってきて、車椅子ごと交換して帰っていくと思います。

 

電動車椅子やオーダーメイドの車椅子は、③の場合がよくあります。この入手した機体の場合は、「補装具の修理」という項目で交換に関する費用を福祉事務所で出してもらえます。

但し、費用支給に関しては、その修理や部品交換を行った事業者が、基本的には都道府県の各庁に事業所登録がされている必要があるはずですので、登録されていないお店が修理しても、費用は支給されません。

私の主観ですが、現場にいた時に京都府庁に登録更新申請を行っていた感覚で言うと、事業所登録のために必要な要件はそんなに難しいわけではなかったように記憶しています。

部品の仕入れルートが確立しているのであれば、せっかくなので登録すべきではないかと思います。強いて言うならば、おそらく補修費用だけの事業者登録はなかったのではないかと思いますので、車椅子のオーダーメイドができるくらいの知識を身に付けて、車椅子取扱いの申請を行うのが、常套なのではないかと・・・

是非、8月のJASPEC年間定例ほっとデスクセミナー(テーマ:車椅子)に参加して、その知識を得てくださいませ。

話は少し逸れましたが、③の仕組みで入手した場合は、機体自身を供給した登録事業者がいるはずですので、そこから修理対応させることが、手っ取り早いです。

きちんとした事業所であれば、供給した日にちを管理し、定期的に部品交換を申請して行っているケースがあります。

今回のお話は、供給事業者がきちんとしていないから、経年劣化した車椅子に整備をしないで乗り続けさせていて、親切な自転車屋さんが気に病んでしまうというケースであり、こういうケースは実は結構多かったりします。

もし、自転車屋さんで、事業者登録申請をすれば、その車椅子の供給者以外であっても修理申請をして、費用を得ることは可能であるはすですが、地域の和を乱すことになるかもしれませんので、そこはご検討を・・・

事業者登録に関しては、皆さん自身がお勤めされている事業所がある都道府県庁の身体障害課や福祉課でご確認ください。

 

施設などの備品ではないという前提で、消耗や劣化などの不具合のある車椅子に出会った際の対応のまとめ

①入手方法を確認

②介保レンタルと身障補装具給付の場合は、その事業所に連絡するように促す

③一般店舗購入やWEB購入の場合は、整備補修して一般請求

これが、現状の業界事情です。

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